アゼルバイジャン地域のキリスト教指導者が外国によるデモ扇動を非難

    イランのアゼルバイジャン地方を統括するアルメニア正教会の指導者グリゴール・チフチアン大司教が27日に「外国勢力のデモ扇動により我々のコミュニティの危険度も残念ながら上昇する事態に陥っている。」と発言した。
 チフチアン師は今回のビデオメッセージの冒頭において「イランという国とアルメニア人の関わりは極めて古く、長い歴史があるが、イスラム革命を経た今でも我々アルメニア人のコミュニティやキリスト教徒としての信仰活動はイスラム体制下において保護されてきた。」と語る。
 「イランの多民族尊重の精神は、我が国の国会においてもいわゆる異教徒枠としてアルメニア人の国会議員が存在している事も重要な事実である。」とイランは他民族に対して保護だけでなく一定の政治力をも与えてきたと述べた。
 
↑イランの警察関係者とともに殉教したアルメニア人自警団員の葬儀に参加するチフチアン大司教

 こうしたイスラムイランとアルメニア人及びアルメニア正教の関わりと関係を述べた上で彼は「我々のコミュニティは外国勢力の主導するアゼル人のイスラム体制に対する抗議デモを受けてイラン・イスラム共和国成立以来最大の危機に瀕している。」と発言している。
 外国勢力によるアゼルバイジャン地方を切り離そうとする試みはイランの有している資源の獲得などさまざまな思惑が重なる部分があると言われている。一方で、抗議デモでは「一部のアゼル人によるアルメニア人への憎悪」という構造が含まれており、この点に置いて我々のコミュニティも外国勢力の扇動したデモの影響により少なくない被害を被ってきたと語っている。また、「外国の報道が、こうした構造のもと我々アルメニア人がどれほど厳しい状況下にあるかという問題を焦点に当てたことはたいへん少なく、極めて盲目と言える。彼らはイランの現体制を批判する、イランから資源豊かなアゼル地域を分離させるという方向性のもとに一貫しており、デモを扇動する外交勢力の一つである。」と外国メディアによる偏向報道を非難している。
 アルメニア人コミュニティはイランの警察だけでなく彼らアルメニア人の自警団により守られてきており、デモと称する攻撃を防ぐ役割を担ってきた。この自警団に関しても一連の騒動において犠牲を出している。チフチアン師は「抗議デモによって我々は厳しいクリスマスを余儀なくされたが、ノウルーズまでにこの騒動が収束することを祈りたい。」と述べてメッセージを締め括った。

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【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

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