イラン司法府 ロウハニ前大統領の弟を拘束

【7月17日 AFP】イランの司法当局は4日、ハサン・ロウハニ前大統領の弟のホセイン・フェレイドゥン氏を過去の金銭が絡む容疑で拘束したと発表した。
 体制移行後保守派が牛耳る司法部門とロウハニ大統領らの属する穏健派の間では長い確執がある。
 フェレイドゥン氏はロウハニ大統領の補佐官で秘書の役割も果たしていた。ゴラムホセイン・モホセニエジェイ(Gholam Hossein Mohseni Ejeie)司法府副長官はテレビ放送された記者会見で「この人物(フェレイドゥン氏)に関して複数の捜査が行われ、他にも捜査を受けた者がいる。その一部は勾留されている」と語った。
 モホセニエジェイ氏によると、フェレイドゥン氏に対しては8月の24日に保釈の決定が出されたが、保釈金の支払いが行われなかったことを理由として現在身柄勾留中であることを発表している。当局の担当者は「保釈金を納付すれば拘禁を解かれる。だが、本件はしかるべき経過をたどるだろう。我々はたとえそれが過去のものであってもいかなる汚職も政権の腐敗をも見逃すつもりはない。」としている。
 現時点では彼の犯した容疑と処遇そのものに対する詳細は不明である。こうした上でイラン政治に詳しい南都大学の廣田・ザハド・ユウタロウニ氏は「フェレイドゥン氏はライシ政権発足後ポストを離れた後も主にコメンテイターなど様々な役割でイラン政治に影響力を誇示してきた。保守派への体制移管後も影響力を残すロウハニ政権時代の穏健派勢力の残党狩りのような側面もあるのではないかとしている。」その上で「この一件に関してより保守路線の息のかかった現政権司法府による強引な捜査や恣意的な立件が行われたのであれば今度はライシ政権が別の、とりわけ次に穏健派路線の政権が発足した場合、前政権となったライシ政権陣営にもそういった工作が行われてしまう可能性は無視できない。仮にもしそうなったのであれば穏健派と保守派の政権交代のたびに司法府が各派に懐柔され、普遍的な公平性を持つ司法の在り方に大きな問題を残すリスクがある。」と語った。

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【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

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