ホメイニ師死去から31年

 1991年の今日6月4日はイラン革命の偉大な主導者であり創始者であるホメイニ師が死去した日である。イランイラク戦争で侵略サッダーム体制とその背後にいる偽善者との戦争の最中に亡くなった。イランでは1000〜50000リアルまでの6種類の紙幣にもそのご尊顔が描かれていてイラン人にとってイランの現代史を語る上で最も重要な偉人であることは言うまでもない。

 ホメイニ師は今まで類を見ないイスラム革命を成功へと指導した後に、様々な外国勢力の偽善と敵意に対し正面から戦い、国内の革命体制を9年間守護した。
 ホメイニ師の9年に及ぶ統治が彼の死により終わりを告げると西側の堕落したやサダム体制、シオニスト体制といったありとあらゆるイランに対する敵対者はこのイスラム体制の崩壊が近いと予想したが、決してそのようにはならなかったことを歴史が証明している。
ホメイニ師亡き後、体制を引き継いだハメネイ師によって今に至るまで32年間イスラム体制は存続していて、イランは以前よりさらに強力に理想達成の道を進んでいることは間違いない。

 20世紀に入り、人類史上様々な革命が起こり、その一部は勝利を手にしているが、イラン革命ほど成功した革命は存在しないと語る社会学者は非常に多い。彼らの主張はずしも一貫した物ではないが、イラン革命がマルクス主義やリベラル資本主義といった当時世界的に流行していたイデオロギーに宗教という観点から属さないこと。当時これらのイデオロギーを掲げたアメリカとソ連という二つの大国によって支援された完全武装の世俗王朝を民衆の力で打倒したという重要なポイントがあることは抑えておくべきである。

 イランの人々を抑圧する世俗王朝打倒に関してマルクス主義も資本主義も民衆の肌に合わないとなった時、国民を信じ、神を信じたホメイニ師のカリスマ性こそが、それまで様々な旗の下戦った革命勢力を今のイラン固有のイデオロギーの元に統合し、冷戦下の二分された世界のどちらにも組みしない。所謂「右でも左でもないイスラム共和国」の成立と防衛を成し遂げたのは言うまでもなく、ありとあらやゆる偽善者の脅威に晒されつつも今までこの体制が存続している。これこそがイラン人にとっても革命を支持し続ける原動力としてホメイニ師が去った悲しみの後31年に亘りイラン人の心の中でホメイニ師が生き続けている証拠なのである。
 

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【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

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