イラン空軍傘下の軍産航空機製造協力局ザドルマニイラン空軍准将はイランの航空機開発に関して、我々の取材に対して、「イランの航空機製造能力は中東トップクラスを誇る」という見解を示した。今回の記事ではイランの航空機開発・製造について紹介する。
↑IRYAK-40型試作旅客機
イランは現在、中東で数少ない航空産業強国に位置しており、国産旅客機の開発プログラムも進行している。軍用機開発に関しても民間以上に進んでおり、国産戦闘機コウサルの開発実績がある。また同じく軍用のヤシン練習機を開発するなど2000年以降特に軍用航空機において飛躍的な実績を残している。
軍用の国産輸送ヘリコプターの開発に関しても同じ頃より形になり始め、現在では国産攻撃ヘリコプターの開発も行われている。
↑国産戦闘機 コウサル
↑ヤシン 国産練習機
ヘリコプター生産に関しては歴史が深く、イラン航空産業の発展と深いつながりがある。当初王権による抑圧的な時代にアメリカの協力のもと、1974年イラン国内で航空機生産・整備・調達を行うイラン航空機開発公社IADCが設立された。
↑ベル206 ヘリコプター
(王政時代にライセンスと航空機製造ラインをアメリカから購入。イラン航空産業の礎となった。)
この時に掲げたヘリコプターの国内ノックダウン製造プロジェクトが進めらた。
しかしながら、1984年の革命によりアメリカからの技術支援が途絶えイランは航空機製造どころか既存の航空機整備すら困難な状況に陥った。一方でサダム軍の不当な侵略を受けさらに困難な状況に直面した。
戦争中〜90年代には帝政時代のイラン人技術者を雇用しイラン軍や、イランの航空会社の航空機の稼働率を上げるべく働き、この頃から僅かな開発ノウハウの元に航空機製造プロジェクトを立ち上げ始めた。
2000年代頃から航空産業の飛躍が見られたのは時間的に着手したプロジェクトが形になり出した他、様々な国との外交関係が修復されることでより多様なルートからノウハウが蓄積されていったこともその要因の一つであるという見解を述べた。
↑ガーヘル313 国産ステルス戦闘機
こうした歴史を経てイランは中東最大級の航空産業を興し、現在ではガーヘル313と呼ばれる国産ステルス機製造という野心的なプロジェクトを行うだけの産業的な下地を得た。
この他にもソビエトのヤコブレフ設計局と協力し、YAK-40型旅客機のライサンスを購入し、国内でのノックダウンを行うプロジェクトも進行しており、テスト機の飛行にまで漕ぎ着けている。
契約不履行の多発するアメリカからの僅かな技術支援から必要と困難に迫られつつ。必死にノウハウを抽出し稼働率を保つ取り組みを始め、その後は偽善者による不当な制裁下においても既存の航空機が飛び続けるように尽力し、こうした状況下から少しずつ地道な努力を重ね、イラン特有の航空機製造能力を物にすることができた。
准将は「このようにイランの誇る中東最高峰の航空産業はイラン人の努力と力強さの歴史そのものであり、イランの誇りである。」とまとめ、イランの航空産業は今後もイラン人の努力によって飛躍的に進んでいくだろうと語りました。
【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル
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