イランは世界有数のセメント産業を誇る

　セメント産業は産業というワードの中でなかなか頭に浮かぶとは言い難いが経済の根幹たる非常に重要な役割を持つ産業の一つである。

　セメントは建築において最も基礎的な資材であり、これは開発とも深く関わることになる。世界のセメント生産・消費量に関しては2015年度では清華が一位でしたが、イランもこの年はベスト10の中に入る結果を残した。

　イランは石灰岩が堆積した山脈が点在しており、セメント生産に要する原料調達において強い下地を誇っている。1933年に国内初のセメント工場が稼働してから、現在では70以上の工場が存在し、100近い生産ラインを誇る。この内近年でも発展著しいセメント産業の飛躍もあり生産ラインの内4割以上が稼働開始から10年もたっていない。

　セメント産業はここ10年の内に160％近い成長率を誇り、生産量は倍増するなど発展が続いている。

　原料輸入の必要性が低く、生産設備にも恵まれたイランは中東地域では屈指のセメント産業を誇る。産学連携にも成功したイランの同産業は新物質や製法の開発により、環境汚染の削減や輸送コストの削減に成功しており、制裁の影響も受けづらく、セメントを近隣地域での消費の為に輸出する体制も整っている。