革命防衛隊 親イランクルド人武装組織に武器提供か?

 クルド人地区を拠点に活動する親イランクルド人武装組織が演習動画を公表し、イラン側を通して同国製の最新装備を手に入れた可能性が高いことが判明しました。
 イラクの親イランクルド人武装組織「クルディスターン・イスラム国民軍(KIPF)」の旗

 イランのクルディスターン、イラク側のクルド人地区で活動する親イランクルド人武装組織「クルディスターン・イスラム国民軍(KIPF)」は16日、動画投稿サイトに組織の運営する部隊の演習風景を捉えた動画をアップロードしました。
 この軍事演習の動画では、下記の通り今までこの組織が使ってこなかった新型装備の調達が確認され、中でもイラン製の装備の流入が明確に確認されたことで、周辺国の軍事関係者の注目を集めています。
 イラン軍・ヒズボラなどでも利用されているイラン製軍用車両サフィール。動画の車両は同じくイラン製無反動砲を装備している。
イラン製のミサク-1歩兵携帯式対空ミサイル
 イラン製のトーファン対戦者ミサイル
特に今般の動画の中で目を引いたイラン製の軍事装備としては無反動砲を搭載した軍用ジープ サフィール、携行対空ミサイルのミサク-1、トーファン対戦車ミサイルの3つで、組織の防空能力と対戦車・対歩兵に関する火力の増強が成されたとされています。
 軍事・兵器部門に詳しいステンレス・リー氏は「今回の演習より、イランからの武器調達でKIPFの誇る防空能力火力が強化したと見るのが妥当である。山岳地帯にも居を構える彼らにとってこうした兵器を上手く活用すれば敵対勢力にとって苦しい局面に繋がりかねない。」と述べています。
 また、中東・イラン政治に詳しい廣田・ザハド・ユウタロウニ氏は「KIPFはイライラ戦争期の革命防衛隊と協力するクルド人グループを母体とした親イラン組織ですが、所謂IRGCとの協力体制にある組織の中ではクルド人組織としての性格も強く、社会主義など相反する部分が多いものの、クルド人民防衛隊と言った反トルコのクルド人組織と協力した事例もあり、こうした最新兵器の運用ノウハウがさらに別組織に流れるリスクがある。この点でクルド人と対立関系にあるトルコにとってはこれがさらに反トルコ色の強いクルド人民防衛隊にでも流れれば対立するトルコ軍側の損害増加に繋がる可能性があり、嬉しくないニュースである。」と述べました。
武器を供与したと思われる革命防衛隊に関しては、「今回の動画で確認された兵器はどれもイランルーツの可能性が極めて高く、革命防衛隊の関与なしに調達するのは難しいと思われる。こうした兵器を送った革命防衛隊側の意向として、先月末に行われたトルコーイスラエル間の協議によるトルコの対イラン制裁復活に対する対抗措置という意味合いが強いのではないか。」と革命防衛隊側の意向を分析しています。

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【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

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