聖なる防衛の隠れたエース殉教

 殉教したアリレザ・ユウタロウニ少佐
 4月10日の早朝にイラン空軍の戦術爆撃飛行隊所属のF-111B一機が訓練中にファールス州のシーラーズ南方の山岳地帯に墜落し、パイロット2名が殉教しました。
 軍は僚機の証言を元にこの攻撃機は敵地低空侵入、およびこの戦術パターンによる攻撃を模倣した訓練を行なっていました。低空を飛行中に突如エンジンから火の手が上がり、パイロットが訓練中止を通告、高度を稼ぐべく上昇したものの、コンプレッサーストールという所謂スピン状態に陥ってしまい、失速を起こし墜落したと発表しております。
 この機体に搭乗していた、パイロットのアリレザ・ユウタラニ少佐、爆撃手ハサン・シーラジィ少佐両名は脱出装置を展開したものの高度が足りず落下の衝撃に殉教したとのことです。
 パイロット、爆撃手ともに抑圧的な時代から帝国空軍に勤務しており、体制時代のキャリアを抹消後イランイラク戦争にて前線復帰し、幾多のサッダーム政権に対する爆撃ミッションをこなした隠れた空軍エースで、2年前に空軍を退役し、再任用プログラムにより復職、新規配属された搭乗員の育成に当たっていました。
 空軍によると、墜落原因は特定できていないが、半世紀を超える稼働実績を誇る老朽化であり、機材のトラブルなど様々な角度から事故原因を特定することに最善を尽くすこと、原因特定まで同型機種の飛行を停止すると発表しています。

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【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

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