旅行客の集まる中部ヤズドの拝火神殿

 紀元前から存在する古代宗教ゾロアスター教は現在もイランの公式宗教で、信仰者も存在しており、その信者数は3〜6万人程度であると言われている。ゾロアスター教の預言者・ザラスシュトラ(ゾロアスター)は、紀元前1768年頃の生まれであるとされており、その歴史の古さが伺える。
 イランの古代拝火神殿は、アケメネス朝とパルティア王朝の時代に、主に屋外に建設され、その火は地中から出る天然ガスで燃えていた。特にアケメネス朝時代には王国とその中枢をなすペルシア人の大半がこの宗教を信奉していたとされている。その後ササン朝においても正式に国教化されるなど、7世紀にアラブ世界からイランにイスラームがもたらされるまでイランにおける普遍的宗教として君臨していた。
 イランで現在も使われている拝火神殿は、南部シーラーズ、首都テヘラン、南東部ケルマーンなど各地にあり、ゾロアスター教の信者はこれらの場所で礼拝や儀式を行っているが、たいていの日には観光客の入場も可能であることが多く、イランに残る歴史遺産の一つとして観光客の注目を集めている。
 特に国内でも規模の大きいイラン中部ヤズドの拝火神殿は、ゾロアスター教の聖火が灯され、地元に住んでいるゾロアスター教信者の礼拝所となっている。この拝火神殿で燃えている火は1500年以上、灯り続けている物である。
 

0コメント

  • 1000 / 1000

【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

Attention 当サイトに掲載されるニュースはすべてフィクションです。 記載された出来事・国家・人物・団体・名称等は全て架空であり、意図なく一致することがあった場合も、実在のものとは一切関係ありません。