絶滅から蘇ったカスピアンホース

 カスピアンホースとは名前の通りイラン北部地域、カスピ海沿岸周辺地域に生息している体調1〜1.2m程度の小型の馬を指す。
 このイラン固有の馬はスポーツや乗馬、イランの歴史だけでなく馬の生物的進化においても特別な重要性を持っている。この馬の出現は先史時代に遡ることができ、その先祖の骨は恐竜などと共に化石として発掘されることもある。少なくとも紀元前3500年前から家畜化されていたと考えられている。
 この馬はサイズはポニーなどの類と似て小型ではあるが、歩き方などにおいて後の種の馬と多くの共通点を持っており、丈夫で脚力に優れ、蹄鉄を必要としないなどの特徴点を持つ。馬との歩行の類似故に後々出現する多くの種類の馬達の先祖であるとされている。
 この種の興味深い点は7世紀ごろにかけて絶滅したものと見られていた点である。しかし絶滅したとされる年代から約1300年を経て1965年にイランのとある村にて生息しているのが発見された。つまり、1300年間も絶滅したとして失われたが、その後に復活した珍しい生物であると言える。
 この馬は当初数頭が発見されたところから地道な保全活動が続けられ、激動の政変や戦争による混乱もありながら数を増やし、現在では2000頭前後が飼育され、山岳部などの荷物運びやホースショーなどで活躍している。
  

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【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

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