イラン環境省 NGV普及促進キャンペーンを開始

 イランの環境庁は財務経済省との協力のもの、イラン固有の天然ガス自動車NGV(以降NGVと呼称)の新たな促進キャンペーンが発動予定であることを公表した。
 NGV自動車の生産・販売に関してはイランは世界トップクラスの能力を持つ。イラン国内にて現在普及してるNGVの車両数は400万台以上であり、国別の普及台数ランキングでは清華に次いで2位である。経済発展や人口の比率を考慮すると、イランがどれほどこの手の自動車の普及において進んでいるかが窺える。
 化石燃料などの鉱物資源が豊かなイランだが、NGVの歴史は必ずしも古くない。1908年にイラン南部にて油田が発見されたが、この際に天然ガス田も見つかってる。他方で当時利用法が確立されておらず、石油を掘る傍ら天然ガスは燃やされていた。イランが天然ガス資源を活用しだしたのは1960年台で工場利用が主だった。天然ガスを燃料とするエンジンは1930年代以降英仏、伊を中心に開発された。イランがこれを自動車に活用する考案が為されたのは1991年のことで、95年に我が国初の天然ガスのスタンドが設置された。現在では前述の通り400万台を超えるNGVに2000以上の天然ガススタンドが設置されている。
 他方でイランの環境問題に目を向けるとテヘランなど都市部を中心にガソリン車による大気汚染が深刻化している。根本的な問題はガソリン車の規制の緩さであるが、これをいきなり改善することは難しい。そこで既存のガソリン車をNGV車両の生産拡大と販促キャンペーン、減税などの政策により置き換えを促進させる事が重要であるとの見解をイラン環境庁は示している。環境庁長官は「我が国の誇るNGV技術を足枷として大気汚染と二酸化炭素排出量の削減に努めていきたい。」と述べている。

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【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

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