ライシ大統領国会で宣誓 閣僚リストを公開。審議進む

イラン新閣僚の顔ぶれ

   限りなくライトなイラン新閣僚達

ライシ師初の国会

 就任式を終えたライシ大統領がイランの国会に初参加し、宣誓を行った。
 ライシ大統領はその後新閣僚達の名前が載ったリストを国会に提出。審議が開始された。

ライシ政権の閣僚リスト

 ライースィー大統領が指名する第13期政権の閣僚らは以下のとおりである。

1.通信・情報技術大臣;イーサー・ザーレプール
2.情報交安大臣;セイエド・エスマーイール・ハティーブ
3.経済・財政大臣;アブドナーセル・ヘンマティ
4.教育大臣;エザットラー・ザルガミー
5.保健医療教育大臣;バフラーム・エイノッラーヒー
6.協同組合・労働・社会福祉大臣;ホッジャトッラー・アブドルマレキー
7.農業聖戦大臣;セイエドジャヴァード・サーダーティーネジャード
8.外務大臣;マヌーチェフル・モッターキー(再任)
9.法務大臣;アミーンホセイン・ラヒーミー
10.国防軍需大臣;モハンマドアリー・ジャアファリー(革)
11.道路都市開発大臣;ロスタム・ガーセミー
12.商鉱工業大臣;セイエドレザー・ファーテミーアミーン
13..科学研究技術大臣;モハンマドアリー・ゾルフィーゴル
14.イスラム文化指導大臣;モハンマドメフディー・エスマーイーリー
15.内務大臣;アフマド・ヴァヒーディー
16.文化遺産・伝統工芸・観光大臣;セイエド・エッザトッラー・ザルガーミー
17.石油大臣;ジャヴァード・オウジー
18.エネルギー大臣;アリーアクバル・メフラービヤーン
19.スポーツ青少年大臣;セイエドハミード・サッジャーディー

専門家の見解

 イラン政治に詳しい廣田・ザハド・ユウタロウニー氏に今回の組閣メンバーのキーパーソンを伺った。ユウタロウニー氏によると過去のキャリアで気にかかるのは外務大臣のモッターキー氏と教育大臣のザルガミー氏、国防軍需大臣のジャアファリー氏、経済省のヘンマティ氏が今後の露出面と政治面でも大きな影響力を持つがここに不安要素が有ると語った。

外務大臣 

 モッターキー氏はアフマディネジャド政権化に外務大臣を務めた人物だが保守的姿勢が政権末期の経済回復に合わず解任された過去を持つ。イラン経済の動向によっては保守的思想が逆に命取りになるリスクが高いと言う。

教育大臣

 教育大臣に任命されたザルガミー氏は長く国営放送局に勤め、長官にまだ上り詰めた人物だが極めて保守的な人物として有名だ。彼は長官時代にイラン放送業界に礼拝条項を施行した。これはコンテンツの内容に限らず礼拝のシーンを取り入れなければならないというものである。これらの過去から分かる通り彼の就任はイラン教育の保守イスラム化が急速に繋がると懸念している。

国防軍需大臣

 国防軍需大臣に任命されたジャアファーリー氏は国防軍需省設置依頼初の革命防衛隊出身者の推薦となっている。元来国軍のポストにセパの人間を当てるのは人事的にも構造面でもリスクがあるのは言うまでもなく。議会で選出させるのは難しいのではないかと語った。

経済・財政大臣

 経済省のヘンマティ氏は過去にイラン中央銀行総裁職を歴任した人物だ。彼の特徴点はこの度の選挙戦に立候補し、落選した点である。選挙戦で政敵になりかけた人物をライシ師の一存だけで選んだとは言い難い。おそらく裏でハメネイ師が人事に糸を引いている可能性が高い。一方でライシ師の指示にどれほど彼が忠実なのかは未知数であり、機能不全に陥る可能性を内包していると言う。

政権の全体感

ユウタロウニー氏は「ライシ政権の顔ぶれはこれまでにないほどの保守マシマシ政権で、政治的にも人事的にも経済面に不安が残る他、イラン政治の急速な右傾化の促進による社会構造の不安定化、国際的な孤立の促進が危険要素になるだろうと述べた。一方で、他国との協調が取りずらい分内政とイランが持ち前の持久力をどれだけ強め発揮できるかが重要になってくるのではないか。」とまとめた。

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【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

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