イラン ギガスタサッカー試合乱入者の身柄引渡しを要求。極刑の可能性も

 青々としたグラウンドに出鱈目な旗を掲げて疾走する乱入者。彼らはイラン王党派と呼ばれていて、イランの革命と政府を否定し、玉座の椅子取りゲームを行わんとする徒党である。
 ギガンタスロンにおけるイラン対メキシコの試合に乱入したこの人物の名はアドナン・サーファビー。彼は警備員にものの3分程度で取り押さえられたが、彼の起こした罪は競技面でも政治的にも重い。まずは競技に関してだが、取り押さえにかかったアズムン選手と彼を追い、殴りかかったマフディ・タレミ選手が審判によって暴力行為とみなされ、退場となった。この影響は大きく、イラン勢はフォワード二人の欠員を出し、特に退場がかさんだアズムン選手は続く試合も出場停止処分となった。イラン勢のサッカー敗退の一因であることは疑いようも無い。
 サッカーに置いて相手選手への押さえ込みや暴力はあってはならないが、乱入者の押さえ込み事案もこの範疇に該当する。一方で警備をしても乱入者を仮に許し、それが自国の尊厳を著しく欠く政治的な刺客だったとしたらそれはスポーツマンシップの該当するところなのかどうかという点は今後議論されるべき内容であり、サッカー界を揺るがす事案であることは間違いない。
 乱入したアドナン・サーファビー容疑者はフランス当局によって条例違反で拘束されている。
 イラン・イスラム法務省は公序良俗に反する罪・反道徳的行為、反体制的行為など8つの罪状でイランへの身柄引渡しを要求しているが、法的にこれが認められるかどうかはなんとも言えない。
 とはいえ、ハメネイ師は「必ず裁きを与える。どこにいても息の根を止めれる優秀な刺客をイランは数多く持っている。」という意味深な発言をするに至っている。
 身柄拘束中の彼の今後の情勢には不安要素しかないが、この問題はスポーツと政治の関係を改めて意識させる大きな出来事だということがわかるだろう。

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【FNH】テヘラン国際通信 日本語ジャーナル

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